日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
進行肺癌に合併した続発性気胸に対する胸腔内フィブリン糊注入療法の経験
西野 豪志滝沢 宏光吉田 光輝川上 行奎先山 正二近藤 和也
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2014 年 28 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

進行肺癌に合併する続発性気胸は,難治性であることが多く,患者のQuality of Lifeおよび予後を著しく悪化させる深刻な病態である.当院では進行肺癌に合併した続発性気胸の治療に対しては,胸腔内フィブリン糊注入療法を第一選択としている.2009年4月から2012年5月の期間に進行肺癌の治療中に発症した続発性気胸を5例経験した.平均年齢は60.8歳で,組織型は扁平上皮癌が4例,腺癌が1例であった.全例がStage IIIA以上の切除不能進行肺癌であり,化学療法中の発症が4例,化学放射線療法中の発症が1例であった.5例中4例は胸腔造影検査で気漏部位が特定でき,フィブリン糊注入療法で気漏の停止が得られた.全例で,気漏停止後に化学療法または放射線治療の追加が可能となった.進行肺癌に合併する難治性続発性気胸に対する胸腔内フィブリン糊注入療法は有効であり,まず試みる治療として妥当であると考える.

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