2008 年 22 巻 6 号 p. 925-928
核医学検査にて悪性が疑われた肺硬化性血管腫を経験した.60歳女性で,主訴は胸部異常陰影である.脳梗塞でフォロー中であったが,胸部異常陰影を認めたために,当科を紹介となった.胸部CTで右中葉に2.8×1.8cm大の腫瘤を認め,FDG-PETで弱陽性で,201Tl SPECTで陽性であった.また,半年前の胸部CTより3.0×3.0mm大きくなっていた.気管支鏡検査を施行したところ確定診断に至らず,悪性腫瘍の可能性を否定できなかったため,診断治療目的で手術となった.術中迅速診で,硬化性血管腫と診断した.硬化性血管腫に対するRI画像の報告例は少ないため,診断に難渋した.