2008 年 22 巻 2 号 p. 169-174
FDG-PET(18F-fluorodeoxyglucose-positron emission tomography)は肺結節性病変の質的診断に有用とされているものの,偽陰性,偽陽性には注意する必要がある.今回我々は,胸部CTにて30mm以上(cT2)の充実性陰影を呈しながらFDG-PET陰性であった肺腺癌の2例を経験した.2例はともに,粘液産生型肺胞上皮癌であり,豊富な粘液産生によりCT画像上では充実性成分を主体としていたにもかかわらずFDGは低集積となっていた.FDG-PET陰性の充実性病変の診断にあたっては,粘液産生肺胞上皮癌である可能性を考慮し,慎重に考える必要がある.