2008 年 22 巻 7 号 p. 1022-1026
症例は77歳,女性.胸部CTで右上葉に異常影を指摘され入院となった.FDG-PETでは同部に集積が見られ,Standardized uptake value(SUV)は5.23と高値であり,delayed scanで増加していた.診断かつ治療目的にて右上葉切除術を施行し,病理組織学的検査で肺MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫と診断された.FDG-PETを施行した原発性肺MALTリンパ腫は本例を含み29例報告されているが,25例で集積を認めており,肺MALTリンパ腫では高い確率でPET陽性となる.肺MALTリンパ腫をFDG-PETのみで肺癌と鑑別することは困難であるが,転移の精査,再発診断,放射線治療や化学療法時の治療効果判定などを行う際には有用と考えられる.