日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
胸腔内に移動・迷入したキルシュナー鋼線を胸腔鏡下緊急手術にて摘出した1手術例
高嶋 成輝中野 秀治三竿 貴彦
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2006 年 20 巻 6 号 p. 843-846

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抄録

今回我々は,3ヵ月前の右鎖骨骨折手術後に,胸腔内に移動・迷入したキルシュナー鋼線を,胸腔鏡下緊急手術にて摘出した1手術例を経験したので報告する.症例は66歳,男性.3ヵ月前に右鎖骨骨折に対してキルシュナー鋼線2本使用し,内固定術を受けた.10日程前,術後初めて,約30kgの重量物を運搬した.その後より右胸痛と呼吸困難が出現し,近医を再診した.右鎖骨X線並びに胸部CTにて,右気胸とともに,2本のキルシュナー鋼線の内の1本が,大きく逸脱し,その先端が,右胸壁背側より胸腔内に穿通しているのを認めたため,加療目的にて当院に搬送された.同日胸腔鏡下に緊急手術を施行,胸腔内に穿通していたキルシュナー鋼線を摘出した.術後経過は良好で,第11病日に退院した.

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