術前化学放射線療法後膵頭十二指腸切除術を施行し，長期生存を認めた腹膜播種によるStage IVb膵頭部癌の1例

西山 亮; 相浦 浩一; 北郷 実; 篠田 昌宏; 板野 理; 河地 茂行; 田辺 稔; 上田 政和; 真杉 洋平; 坂元 亨宇; 北川 雄光

doi:10.2958/suizo.27.62

症例報告

術前化学放射線療法後膵頭十二指腸切除術を施行し，長期生存を認めた腹膜播種によるStage IVb膵頭部癌の1例

西山亮, 相浦浩一, 北郷実, 篠田昌宏, 板野理, 河地茂行, 田辺稔, 上田政和, 真杉洋平, 坂元亨宇, 北川雄光

著者情報

西山亮
慶應義塾大学一般・消化器外科
相浦浩一
川崎市立川崎病院外科
北郷実
慶應義塾大学一般・消化器外科
篠田昌宏
慶應義塾大学一般・消化器外科
板野理
慶應義塾大学一般・消化器外科
河地茂行
慶應義塾大学一般・消化器外科
田辺稔
慶應義塾大学一般・消化器外科
上田政和
慶應義塾大学一般・消化器外科
真杉洋平
慶應義塾大学病理学教室
坂元亨宇
慶應義塾大学病理学教室
北川雄光
慶應義塾大学一般・消化器外科

キーワード: 膵癌, 腹膜播種, 肺転移, 術前化学放射線療法, 長期生存

ジャーナルフリー

2012 年 27 巻 1 号 p. 62-68

DOI https://doi.org/10.2958/suizo.27.62

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抄録

症例は70歳，男性．膵頭部癌（TS2，PV（+），T4N0M0，Stage IVa）の診断にて術前化学放射線療法（5-FU，MMC，CDDP+Radiation 40Gy）施行後，膵頭十二指腸切除術を行った．病理組織診断は高分化型管状腺癌T4N0M1（PER；omentum），Stage IVbであり，病理上，腫瘍本体に加え腹膜結節にも術前化学放射線療法の組織学的効果を認めた．術後Gemcitabineを開始したが，5年2カ月後右肺転移を認め，右肺S9-10切除術を施行．その後，胸膜播種を認め初回手術から6年7カ月後に死亡した．腹膜播種によるStage IVbにもかかわらず術後長期生存した1例を経験した．

責任著者(Corresponding author)

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