嫌気性グラム陽性菌であるPropionibacterium acnes加熱死菌をマウスに静注して,7日後にグラム陰性菌由来のlipopolysaccharide (LPS)を静注すると,ほとんどのマウスは広範な肝細胞壊死を伴つて24時間以内に死亡する.この急性肝不全モデルマウスにおける肝臓内,脳内および腎臓内のトリプトファン代謝について検討した.その結果,トリプトファンが著しく上昇し,トリプタミン経路,セロトニン経路の代謝促進が認められた.特に脳においてはセロトニン代謝よりもトリプタミン代謝,特にインドール酢酸の増加率が大きかった.