肝臓
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急性肝不全モデルにおけるセロトニンおよびトリプタミン代謝
肝臓内,脳内および腎臓内におけるトリプトファンおよび代謝産物の変化
溝口 靖紘児玉 千枝河田 則文阪上 吉秀関 守一小林 絢三山本 祐夫森沢 成司
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1988 年 29 巻 11 号 p. 1445-1450

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抄録

嫌気性グラム陽性菌であるPropionibacterium acnes加熱死菌をマウスに静注して,7日後にグラム陰性菌由来のlipopolysaccharide (LPS)を静注すると,ほとんどのマウスは広範な肝細胞壊死を伴つて24時間以内に死亡する.この急性肝不全モデルマウスにおける肝臓内,脳内および腎臓内のトリプトファン代謝について検討した.その結果,トリプトファンが著しく上昇し,トリプタミン経路,セロトニン経路の代謝促進が認められた.特に脳においてはセロトニン代謝よりもトリプタミン代謝,特にインドール酢酸の増加率が大きかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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