Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
ISSN-L : 1345-8647
ニューラルネットワークを用いた洗浄剤、発泡剤用新規代替化合物の溶解度推算と探索
浦田 新吾入澤 潤高田 章玉井 良一黒河 勇治関屋 章
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2001 年 2 巻 p. 21-28

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抄録

クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)に替わる新規代替化合物探索のため、階層型ニューラルネットワークを用い、含フッ素エーテル(HFE)及び含フッ素ケトン(HFK)の溶解度推算を試みた。はじめに、n-Eicosane(C20H42)の溶解度推算を検討した結果、入力パラメータとして、分子シミュレーションより得られる分子間相互作用エネルギーと密度、分子量などの基本物性を用いることにより、精度良く推算することが可能であることを見出した。また、ポリオールPE-315(オルトフタル酸にジエチレングリコールが2モル縮合付加したポリエステルポリオール)への溶解度は、分子間相互作用の情報と密度、分子体積に水素の電荷を新たな入力パラメータとして加えることにより推算可能であった。さらに、構築したネットワークを用いて溶解度の高い新規化合物の探索を行った結果、新たな発泡剤の候補化合物としてHFE-236pc(CHF2CF2OCHF2)を見出した。

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© 2001 日本化学会
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