2015 年 30 巻 2 号 p. 92-99
難溶性薬物のバイオアベイラビリティ改善を目的に、各種ナノ粒子製剤が開発されている。湿式粉砕を利用したナノ結晶化技術は多くの医薬品に応用され、そのうちのいくつかはすでに市販されている。医薬品をナノ結晶化することにより、溶解速度、分散性、製剤安定性の改善が可能となる。新たに開発されている薬物ナノ結晶は、経口製剤に加えて注射剤や経皮投与製剤としての開発も期待される。本稿では、難溶性薬物のナノ結晶化技術、ナノ結晶製剤の特徴、ナノ結晶製剤の物性評価について紹介する。