日本食生活学会誌
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青菜のゆで調理における世代別実態調査
和泉 眞喜子高屋 むつ子
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2004 年 15 巻 1 号 p. 35-40

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抄録

ゆで調理における塩の添加・利用に関するアンケート調査を, 2001年9月下旬~10月上旬に, S短期大学生, その親園児の親に対して行った。その結果, 以下のことが明らかになった。
1) 調理の学習経験では, 学生は学校や親から学んだと言う回答が多く, 園児親および学生親は学校以外に親, そしてマスメディアで学んだ割合が高かった。親から学んだとする割合は全体で60%前後, 園児親, 学生親がマスメディアで学んだ割合は約53%であった。
2) 青菜の喫食状況は学生親は100%だったが, 若い世代では92~97%だった。その調理方法は「ゆでる」が多かった。
3) 青菜のゆで量と水量については, たっぷりの水量を使用している人が多かったが, 学生はゆで量の約10倍量の水を, 学生親はそれ以上の水を使用する傾向がみられた。
4) ほうれんそうのゆで調理における塩の使用はいずれの場合もほとんどがひとつまみ程度で, その濃度は0.1%以下であった。
5) 塩添加の目的は「色を良くする」が多く, 次いで「あく抜き」であった。しかし, 現状の塩の使用量では「あく抜き」の効果が得られているとは考えられない。
6) 塩添加の知識の取得源は, 親, 学校という回答が多かった。
7) いずれの世代も, ゆでる物, ゆでる量, そしてそれにふさわしい水量, 塩の使用の有無などを良く考えずにゆで調理を行っており, それが親から子へ受け継がれていることが推察された。

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