皮膚糸状菌症の猫3例に対し,1回量約90~170 mg/kgのルフェヌロンを2週間隔で投与したとき,症例1と3では2回,症例2では5回の投与で臨床症状が改善され,治療開始後,症例1では8週目,症例2では11週目,症例3では4週目には,1部の脱毛部分を残したものの,皮膚は正常となり,直接検査,培養検査ともに陰性となった。症例3では,治癒と判定した後3週目に他の部位に新しい病巣が発生したため,125 mg/kg,さらに3週間後に133 mg/kgを投与した結果,完治した。以上のことから,本剤の皮膚糸状菌症に対する治療効果は,症例によっては期待できるものと思われた。