獣医臨床皮膚科
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原著
猫の炎症性皮膚疾患における表皮基底細胞の水腫性変性の発生率
Steven P. D’Ambrose Danny W. ScottHollis N. Erb
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2016 年 22 巻 2 号 p. 91-95

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抄録

我々は,31頭の健常猫および様々な炎症性皮膚症を伴う392頭の猫の皮膚生検内の表皮基底細胞(正確に同定した)における水腫様変性の発生率について,病理組織学的に回顧的研究を行った。表皮基底細胞の水腫性変性は,病理組織学的に境界皮膚炎として特徴づけられた免疫介在性皮膚症のうちの一少数グループ:皮膚の薬剤副作用反応,円盤状エリテマトーデス,多型紅斑,胸腺腫に伴う剥離性皮膚症,全身性エリテマトーデスに顕著に関連して存在した。5つに診断されたこのグループにおいて,水腫性変性の発生率は,35%(95%の信頼水準で,16~59%の信頼区間);他の疾患においての発生率1.1%(0.34~2.9%の信頼区間)であって,健常猫での発生率は0%(0~14%の信頼区間)であった。

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© 2016 日本獣医皮膚科学会
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