2005 年 11 巻 1 号 p. 1-4
6歳齢, 雌のエアデール・テリアに, 両けん部とともに鼻梁と両耳介の色素性脱毛を認めた。脱毛は1歳より始まり, 毎年2月から8月に認められた。血液検査, 血液化学検査, 甲状腺ホルモン検査に特記すべき異常はみられなかった。皮膚病理組織検査で角質肥厚を伴う毛漏斗の開大と表皮メラニン色素の増加がみられた。以上より, 再発性けん部脱毛症と診断した。別家庭で飼育されている母犬と同腹子1頭にも同様の脱毛症が認められた。われわれが調べ得た限り, これまでに本症が家族性に発生した症例の報告はなかった。