単純性血管腫に対する色素レーザーとアルゴンレーザー治療の臨床効果と組織学的所見の相違について述べた。この相違はその波長よりも発振形式の違いによるものが大きい。すなわち組織学的には真皮内拡張血管の消失効果はほぼ同等と考えてよいが,血管周囲組織に対する瘢痕化の所見はアルゴンレーザー治療では顕著であるが色素レーザー治療では極めて軽微である。圏様に臨床効果の相違は瘢痕化の有無によ効果が大きい。この効果は二つのレーザーのthermal relaxation time (熱緩和時間) の相違で説明することができる。