2016 年 70 巻 4 号 p. 368-373
三菱製紙八戸工場4号抄紙機では,他号機に比べ蒸気原単位が大きく劣る状態にあった。
要因は,マシン使用蒸気の大半を占めるドライヤパートでの蒸気量の差によるものであり,問題点は,根本的なドレネージ設備の効率の悪さ及びドライヤ操業条件と既設ドレネージフロー,バランスとの相違によるものである。
これらの諸問題を解決すべく,2013年12月にドレネージシステム改造を実施し,大きな省蒸気効果を上げることが出来ている。
本報告では,従来の問題点として,
① ドレネージバランス崩れによる再発生蒸気の再使用量減少
② ロータリーサイフォンによる高差圧化,ブロースルースチーム量増加
③ CD内部スポイラーバー不足による乾燥効率低下
ドレネージシステム改造概要として,
①ステーショナリーサイフォン(以下,SS)化及びタービュレーターバー設置
②メインセクション再発生蒸気の自己循環化
③ドレネージ配管フロー適正化
及びその省蒸気効果について紹介する。