紙パ技協誌
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省エネルギー特集 II
4号抄紙機 ドライヤ省蒸気の取り組み
関根 直志
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キーワード: U6蒸気, M7ドライヤー
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2015 年 69 巻 7 号 p. 721-726

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抄録

三菱製紙(株)八戸工場は本州北端の太平洋岸にある八戸市の海岸沿いに位置し,パルプから紙への一貫工場として板紙,アート紙,コート紙,上質紙,情報用紙等を生産する年産70万tの当社主力工場である。その中で,オンコーターマシンである4号抄紙機は,他号機に比べ蒸気原単位が大きく劣る状態にあった。
要因は,マシン使用蒸気の大半を占めるドライヤパートでの蒸気量の差によるものであり,問題点は,根本的なドレネージ設備の効率の低さ及びドライヤ操業条件と既設ドレネージフロー,バランスとの相違によるものである。
これらの問題点を解決すべく,2013年12月にドレネージ改造を実施し,設備面での手直し等は殆ど無く,垂直立ち上げにより直ぐに大きな省蒸気効果を上げることが出来ている。
なお,改造内容は大別すると下記の通りとなり,ドレネージ各セクションのシリンダー配置,本数及び各セクションの蒸気圧設定については変更無しとした。
①ステーショナリーサイフォン化及びタービュレーターバー設置
②メインセクション再発生蒸気の自己循環化
③ドレネージ配管フロー適正化
本報告では,従来の問題点,ドレネージ改造概要及びその省蒸気効果について紹介する。

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© 2015 紙パルプ技術協会
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