紙パ技協誌
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平成24年度佐々木賞受賞講演
高露点型密閉フードシステム及び付帯設備
鳩貝 隆
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2013 年 67 巻 1 号 p. 39-42

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抄録

製紙産業はあらゆる業種の中でも極めてエネルギー消費量が大きな産業である。
特にドライヤーパートでの消費エネルギーは生産工程の過半数以上を占めており効率化のメリットを享受しやすいといえる。また同時に,設備の長寿命化対策,メンテナンス性や抄紙室内環境といった作業環境の見直しも進めていく必要がある。そうした背景のもと,抄紙機の高速・大型化が進む中,マシンレイアウトの改造による設備強化もみられるようになっている。
当社ではこれまで培ってきた研究開発と多数の納入実績から得たノウハウを基に,新技術の開発努力に取り組んできた。今回は高露点型密閉フードシステム及び付帯設備につき紹介をする。
以下に高露点型密閉フードの設備効果として主なものを挙げる。
1)省エネルギー
・排気絶対湿度上昇による給排気風量,動力の低減
・排気熱効率上昇による回収熱量の増加
・ドライヤーパート熱効率上昇によるドライヤー消費蒸気量の低減
・機器のコンパクト化によるイニシャルコスト低減
2)走行性の改善
・フード内気流安定化によるフラッタリング,断紙等の低減
3)品質・作業環境の向上
・プロファイルの改善
・フード放熱減少による抄紙室内環境の改善

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© 2013 紙パルプ技術協会
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