紙パ技協誌
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一般講演
省エネプレートの操業経験
志村 和哉
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2011 年 65 巻 1 号 p. 66-70

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抄録

日本製紙(株)石巻工場は微塗工紙,上質紙,中質紙などを中心に月間10万トンの紙生産能力を有し,そのうちLBKP・NBKPの使用比率は約50%であり,KP叩解工程の省エネ推進は環境面・コスト面から重要な課題となっている。こうした背景から,これまで叩解工程の省エネ対策として叩解機(ダブルディスクレファイナー,以下DDR)の省エネプレートの検討・導入を進めてきた。
 今回石巻工場で新規省エネプレートとして導入したファインバーは,従来の鋳物プレートからステンレス製となったことで従来にないプレートパターンを実現し,LBKP叩解工程で大きな省エネ実績を上げてきた。本報では石巻工場のLBKP叩解工程で約3年間ファインバーを使用してきた実績及び操業経験について報告する。
 【ファインバー導入効果と操業経験(まとめ)】
 ・省エネ効果:約2~3割の省電力化を達成(叩解原単位良化,処理量アップによるDDR集約)
 ・ファインバー寿命:約3倍(鋳物プレート;10ヶ月,ファインバー;32ヶ月)
 ・プレート磨耗時の叩解能力:省エネ効果・叩解後品質とも変化無し
 ・プレート破損時の状況:一部刃が折れ曲がるだけで,そのまま継続使用可能

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© 2011 紙パルプ技術協会
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