紙パ技協誌
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特別講演
モバイルDCSの現状と使用事例
亀井 宏和
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2004 年 58 巻 3 号 p. 353-356

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抄録

装置産業の製造部門においては,長年に渡り自動化やDCS化などプロセスオートメーションを導入し,運転の高度化・合理化を実施してきている。それらオートメーションの導入の結果,プロセスデータを計器室で集約して監視・操作・異常検知が行えるようになり計器室における運転監視業務は,10年前,20年前に比べ,飛躍的な効率化と負荷軽減を実現してきている。
その一方で,切り替え作業や原料投入,調整作業,そして巡回点検などの現場での業務は,依然として現在も存在しており,将来的にも多くの現場作業が残ると予測される。これらの現場作業は,様々な場面でプロセスの状況を把握しながら進めなければならない。そのため,ページングや構内PHSで計器室の運転員とコミュニケーションを取るか,運転形態によっては現場と計器室を行き来しながら作業を進めているのが現状である。これからのプラント運転の効率化は,現場業務の支援がその大きな1つの課題になると考えられる。
この現場業務支援の課題を解決するために,山武では,次世代プラントオペレーションコンセプト『Operation Anywhere』(オペレーション・エニーホェア)を昨年8月に発表した。Operation Anywhereとは,計器室という場所に依存することなく,TPO(Time, Place, Occasion)に適した形で運転に必要な情報を入手し,場合によっては操作も可能とするプラントオペレーション環境,およびオペレーション形態そのもののことである。
本稿においては,Operation Anywhereを具現化する一つの形態として,モバイルDCS『Plant Walker™―HV』について紹介させていただきたい。

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© 2004 紙パルプ技術協会
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