日本水処理生物学会誌
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包括固定化担体を用いた脱窒システムの開発
井坂 和一安部 直樹木村 裕哉渡部 雅智大坂 利文常田 聡
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2011 年 47 巻 2 号 p. 67-74

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抄録

脱窒菌を含む活性汚泥を包括固定化した担体を用い,排水中の亜硝酸および硝酸の除去について検討した。水素供与体としてメタノールを用い,合成排水による連続処理試験を行った。生物毒性のある亜硝酸を基質とした場合でも,脱窒システムは立上げることが可能であり,運転開始46日目には脱窒速度1.4 kg-N m-3 d-1を確認した。硝酸を基質として過負荷試験を行った結果,最大脱窒速度3.6 kg-N m-3 d-1が得られ,高い処理性能を示した。過負荷条件下では,原水中の硝酸が残留するのではなく亜硝酸の蓄積が確認され,亜硝酸還元が律速となる傾向が示された。同時に蓄積した亜硝酸により,脱窒性能が低下させる傾向も確認された。

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© 2011 日本水処理生物学会
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