2006 年 42 巻 1 号 p. 1-8
底泥と水道水を入れた30 lの水槽に浄化材としてポーラスコンクリートブロックと吸リン材を設置した。この水槽を用いて、魚または巻貝が水質におよぼす影響について調べた。120日の実験期間内では、スジシマドジョウ(Cobitis sp. S)を入れた水槽では、入れなかった水槽に比べ、水中の透視度は低く、全リン(TP)・全窒素(TN)濃度は高くなった。いっぽう、カダヤシ(Gambusia affinis)、またはヒメダカ(Oryzias latipes)を入れた水槽では、入れなかった水槽に比べ、水中の透視度は高く、TP・TN濃度は低く維持された。カダヤシとヒメダカは水中に浮遊している粒子状のリンと窒素を捕食し、糞として底に沈降することにより、水中からTP・TNを減らしていることが示唆された。