2007 年 2 巻 1 号 p. 112-116
【目的】がんの在宅緩和ケアを支える手段として既存の日本のデイケア施設がいわゆる英国的デイホスピスとして機能しうるかどうかを知るために, デイケア施設におけるがん患者に対する医療サービスの実態について調査したので報告する. 【対象と方法】2004年11月岡山県のデイケア108事業所に対してアンケートを行った. 【結果】現在がん患者の利用がある事業所は56%, がん患者のための特別なプログラムを有している事業所は8%あった. デイケア施設が在宅緩和ケアを支える場合に備えるべき機能として, 1)がんの緩和医療に必要な医療サービス2)医療監視下における入浴等のデイケアサービス3)がん患者のニーズにあわせた休息を取り入れたサービス4)ストマケア, IVH管理, 輸液等のがん支持療法としての医療機能5)患者・家族に対する精神的ケア等が考えられた. 【結論】日本のデイケア施設において英国的緩和デイケアサービスを提供することは可能と思われた.