未経産雌ラットと雄ラットの視索上核(SON)のオキシトシン(OT)細胞が対側SONからシナプス入力を受けているか否かを検討した.ウレタン麻酔下でSONのOTあるいはバゾプレッシン(VAP)細胞の細胞外記録を実施し,対側SONの電気刺激への応答を刺激前後時間ヒストグラム(PSTH)と発火頻度(FR)で解析した.PSTHの解析では未経産雌および雄ラットの両方で,順行性興奮応答を示すOT細胞の割合がVAP細胞より高い傾向であった.FRの解析では10Hzの電気刺激により未経産雌および雄ラットのOT細胞のFRが増加した.5Hzの電気刺激では未経産雌ラットのOT細胞のFRが増加した.未経産雌および雄ラットのSONのOT細胞も授乳期ラットと同様に対側SONから興奮性シナプス入力を受けていた.射乳反射の神経基盤の一部と考えられるOT細胞間の興奮性シナプス連絡は授乳期に特異的に形成されるのではないことが示唆された.