日本畜産学会報
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一般論文
フィリピン在来牛3品種におけるミトコンドリアDNA・D-loop領域とタンパク質コード領域(ND2, ND4, ND5)のDNA多型 : indicus型とtaurus型の母系ライン
小松 正憲安田 康明Job M. MATIAS新林 友美安部 亜津子小島 孝敏大島 一修武田 尚人長谷川 清寿安部 茂樹山本 直幸白石 忠明
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2004 年 75 巻 3 号 p. 363-378

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抄録

フィリピン在来牛3品種のindicus型とtaurus型の両母系ラインの存在状況を明確にするため,本在来牛3品種を含むウシ11品種のミトコンドリアDNA・D-loop領域とタンパク質等コード領域のDNA多型を塩基配列とLA-PCR-RFLP法により検討した.イロコス牛,バタンガス牛およびイロイロ牛にはindicus型とtaurus型の両mtDNA型が存在することを確認した.また,これら集団中にはフィリピン在来牛独自の母系ラインの存在が考えられた.岡山県ジャージー牛集団にもindicus型とtaurus型の両母系ラインが存在することを明らかにした.さらに,ND4遺伝子配列中のScaI認識部位の塩基置換(mtDNA 11,068位,G : taurus型,ScaI認識部位↔A : indicus型,ScaI非認識部位)を利用した両mtDNA型を区別するPCR-RFLP法を開発した.indicus型mtDNAをもつイロイロ牛のND5遺伝子の塩基配列を明らかにし,taurus型とは異なる塩基置換19ヵ所(内4ヵ所はアミノ酸置換をともなう)を明らかにした.フィリピン在来牛にバリ牛特異的なmtDNA型個体は観察されなかった.

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© 2004 公益社団法人 日本畜産学会
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