日本畜産学会報
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ジャージー種雌牛へのビタミンEの給与が肉色安定性に及ぼす影響
栗木 隆吉泉本 勝利宮本 拓
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2000 年 71 巻 8 号 p. 264-269

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抄録

ジャージー種雌牛肉について,ミオグロビンのメト化による肉色の褐色化を抑制するため,肥育時にビタミンEを給与し,その効果を検討した.食肉用に肥育されたジャージー種雌牛に対して,出荷前平均78日間,1,000mg/頭/日のビタミンEを給与し,大腿二頭筋と胸最長筋を採取した,各筋肉をステーキ状に整形して4°C,暗所で120時間保存し,その間の筋肉表面のメトミオグロビン割合を測定した,大腿二頭筋において,ビタミンE給与によりメト化が抑制された(P<0.05).筋肉中のビタミンE含量は給与期間が長いほど高く,含量が高いほどメト化抑制効果が認められた.また,安定した肉色保持効果を期待するには,少なくとも90日以上の給与が必要と考えられた.一方,胸最長筋では給与区が対照区と比べて,その差は小さいもののメト化が進行し,ビタミンEの給与による肉色安定効果は筋肉部位により違いがあることが認められた.

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