日本畜産学会報
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飼料と糞の特定波長域の近赤外スペクトルの違いに基づく消化率の推定
Agung PURNOMOADI栗原 光規西田 武弘寺田 文典阿部 亮
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1998 年 69 巻 3 号 p. 253-259

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抄録

乳牛を用いた72組の消化試験の飼料および糞を用いて乾物消化率(DMD),有機物消化率(OMD)およびTDNの近赤外分光法による推定方法について検討した.推定式の作成は飼料と糞の2次微分スペクトルの差をもとに,1900,2200,2300,2400nmの領域から各1波長を選択することによって行った.検量線の作成には31組の試料を使用し,その適合度の検定には同一ロットの28組を,さらに異なるロットの試料による検定として13組を用いた.検量線の相関係数(標準誤差)は,DMD, OMD, TDNの順に0.95(2.9),0.92(2.9),0.95(2.8)であり,同一ロットおよび異なるロットの検定用試料に対する適合度も良好であった.以上のことから,飼料と糞のスペクトルの差を用いて飼料の消化率を推定することが可能であること,1900nm以上の領域の近赤外スペクトルの利用が有効であることが示された.

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