日本畜産学会報
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ウシαーラクトアルブミンの構造変化に及ぼす機械的撹拌加熱温度およびpHの影響
ダナパティ ネウバネ石下 真人吉田 育子鮫島 邦彦
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1997 年 68 巻 6 号 p. 545-554

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抄録

ウシαーラクトアルブミンの機能特性は,その分子構造とその構造変化に関連している.α-ラクトアルブミンの機械的撹拌や高温度処理,pHにに対する構造変化を円二色性測定,示差熱走査熱量測定,蛍光強度,紫外部吸収および電気伝導度の変化によって調査した.pH5以下および10以上でα-ヘリックス量は,明らかに減少した.pH2,6.7,12における変性の吸熱エンタルピーは,それぞれ91.5,111.6,100.3J/gであった.60°Cから100°Cでα-ラクトアルブミンを加熱すると紫外部吸収と電気伝導度は増加したが,蛍光強度は減少した.また,機械的撹拌は,α-クトアルブミンのα-ヘリックス量を減少させた.α-ラクトアルブミンは,強酸や強アルカリ,高温,撹拌によって構造変化を起こした.

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