園芸学会雑誌
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挿し穂の齢, 挿し床の種類および挿し木方法がStephanotis floribunda Brongn. の発根に及ぼす影響
狩野 敦深澤 幸教青野 守大川 清
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1992 年 61 巻 3 号 p. 619-624

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抄録

S. floribundaの挿し木繁殖の効率を高めることを目的として,挿し床にロックウールを用いることの可否および挿し穂の齢が発根に及ぼす影響を調査した.また,密閉挿し,CO2施用,小型のファンを用いた順化についても試験を行い,一般に行われている挿し木方法と比較した.本研究によって得られた結論は以下のとおりである.
1.挿し穂の齢は発根率に大きく影響し,齢の進んだ茎(旧茎)を挿し穂としたほうが,若い茎を挿し穂とした場合より高率で発根した.
2.旧茎を挿し穂に用いれば挿し床にロックウールを用いても従来の用土に比べて発根率は低下しなかった.
3.芽あり穂の方が芽なし穂よりも発根率が高かった.
4.密閉挿しの方が通常の挿し木方法よりも発根率が高かった.
5.密閉挿しにCO2施用を併用すると,発根率はさらに高まった.
6.小型ファンを用いて,密閉挿し後の順化時の水ストレスを軽減する方法を開発した.

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