精密機械
Print ISSN : 0374-3543
形状記憶効果によるマイクロマニピュレータ
本間 大三輪 敬之井口 信洋
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1984 年 50 巻 2 号 p. 377-382

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抄録

本研究をまとめると以下のようになる.
(1) Ti-Ni記憶合金を用いたことにより,SMEで動く骨格筋形ならびに軟体形の2種類のマニピュレータを開発試作した.
(2) 試作SMEマニピュレータは,いずれもパイアススプリングと記憶合金の系で表され,パルス通電加熱で動作し,マイコンを利用したプログラム制御装置によりプログラム制御,プレイバック動作が可能である.
(3) 動作試験結果において,SMEマニピュレータは,通電パルスのデューティ比,電圧,周期により操作速度,操作量が変化し,外部からの負荷の影響も受けることが見い出された.
(4) 繰返し動作試験から,加熱温度が小さな場合104~105以上の安定した動作が可能であり,動作寿命はTi-Niのマルテンサイト逆変態点と関係すると思われる.

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© 社団法人 精密工学会
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