日本血栓止血学会誌
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特集:「血栓止血の臨床─研修医のために I 」
5.血友病の診断と治療
田中 一郎吉岡 章
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2007 年 18 巻 6 号 p. 568-571

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抄録

Point
1) 血友病の診断は反復する出血症状と第VIII(IX)因子活性の低下によってなされるが,さらにX連鎖劣性遺伝を示唆する家族歴があれば確実である.
2) 第VIII(IX)因子活性により,<1%は重症,1~5%は中等症,>5~<40%は軽症に分類される.
3) 治療の基本は第VIII(IX)因子製剤の静注による補充療法であるが,軽症もしくは中等症の血友病A患者ではデスモプレシン静注療法も行われる.
4) 家庭での自己注射により出血早期の補充療法が可能であり,出血予防を目的とした定期補充療法も行われる.
5) インヒビター保有患者の止血療法として,バイパス止血療法もしくはインヒビター中和療法が行われる.一方,インヒビター消失を目的とした免疫寛容導入療法も試みられる.

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© 2007 日本血栓止血学会
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