2022 年 59 巻 4 号 p. 372-376
上肢の訓練支援ロボットは,上肢自体の複雑さゆえに下肢に比べてやや遅れて進化している.末梢効果器型が主流であったが,最近は手指型の訓練支援ロボットも開発され,脳卒中をはじめ麻痺や可動域制限を生じている疾患に用いられている.効果のエビデンスも構築され,本邦でも保険が適応となり少しずつ普及が進んでいるが,汎用性や操作性にも配慮が必要であり,まだまだ発展途上である.また,医療もICT化が進みスマートフォンなどのタッチパネル操作が日常生活活動や社会参加に不可欠となっており,操作に必要な機能評価や,訓練,操作能力の改善評価ツールの開発もあわせて期待されている.