2021 年 58 巻 11 号 p. 1250-1255
慢性疼痛の治療には,薬物療法,心理療法,リハビリテーション治療,インターベンショナル治療,手術治療,そして集学的治療などがある.近年,痛みに関する教科書やガイドラインが発刊されている.本稿では,これらの書籍を参考にしながら,慢性疼痛の治療について解説した.さらに,2021年に発刊された「慢性疼痛診療ガイドライン」での推奨度やエビデンス総体の総括についても記載した.慢性疼痛の病態には,身体的要因のみならず,心理的・社会的要因も関与するため,慢性疼痛の治療にかかわる医療従事者の専門分野や治療内容もこれらの要素や要素間のかかわりを踏まえた多様なものである必要がある.