腎機能障害患者への栄養管理は腎機能の悪化を抑えること,尿毒素物質蓄積を減らすこと,合併症のリスクを引き下げることが目的となる.しかし,透析導入後には必要な栄養素を十分に摂取して,サルコペニア・フレイルを予防することが目的となるために,その内容が大きく異なる.それぞれの時期に合わせた形でエネルギー,たんぱく質,食塩,カリウムの推奨量が示されているが,これらはあくまでも指標であり,標準の数値を用いた画一的な指導では対応できない.個々の病態や状況,特に食事摂取状況を把握して多職種でその情報と方針を共有し,「今のあなたの食事に○○を××くらい増やす(減らす)」という具体的な指導を行う必要がある.