論文ID: 23023
目的:本研究の目的は,決定木分析を用いて回復期リハビリテーション病棟における大腿骨近位部骨折患者の転帰先に必要な条件を明らかにし,在宅復帰のモデルを提示することである.
対象:2018年1月~2022年6月に当院回復期リハビリテーション病棟から退院した患者181名とした.
方法:転帰先によって自宅群と施設群に分類し,基本属性,入院時FIM,入院時MMSEについて対応のないt検定,χ2検定およびMann-Whitney U検定を用いて2群間で比較後,決定木分析を実施した.
結果:決定木分析による解析の結果,入院時FIMの問題解決とトイレ動作からなる決定木が得られ,入院時FIMの問題解決が4点以下の場合には自宅退院が困難となる(自宅復帰率9.7~28.6%)などのルールが得られた.
結語:大腿腿骨近位部骨折患者の在宅復帰を検討する場合は,入院時FIMの問題解決とトイレ動作を組み合わせて判断することが重要であることが示された.