肺癌
Online ISSN : 1348-9992
Print ISSN : 0386-9628
ISSN-L : 0386-9628
原著
石綿を要因とする原発性肺がんの労災保険制度の申請に対する,医師の診療体制の現状と課題
福神 大樹長谷川 一男大西 幸次右田 孝雄栗田 英司瀬戸 貴司田中 謙太郎澤田 慎一郎鈴木 江郎濱崎 晋輔
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 62 巻 5 号 p. 371-376

詳細
抄録

目的.日本では中皮腫以上の発症が推測されている石綿肺がんの労災保険制度の認定が少ない.その要因として診療体制における石綿ばく露の聴取調査が確立していないことが一因であると考えた.方法.肺がん治療の診療で石綿ばく露に関連する聴取調査を行っている医師に対してウェブアンケート調査を行い,診療体制の現状と課題を明らかにした.結果.医師が知っている石綿に関する情報は主に直接ばく露であり,患者への情報提供も同様であり,間接ばく露の可能性がある患者は診断されづらい状況が明らかになった.結論.医師には間接ばく露である石綿健康被害に関する学習,病院内の相談支援部門等との連携体制の構築が求められる.

著者関連情報
© 2022 日本肺癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top