肺癌
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CEAおよびCA19-9産生肺乳頭状腺癌の1切除例
渡辺 進一郎中村 康孝竹内 一雄清水 淳三細 正博野口 正人
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1996 年 36 巻 6 号 p. 809-814

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抄録

63歳の男性が咳嗽にて来院した. 胸部X線およびCTにて右中葉に腫瘤陰影, 縦隔リンパ節の腫脹を認めた. 血清CEAが194.6ng/ml, CA19-9が4448U/mlと上昇していた. TIN3M0の肺癌と診断し, 右中葉切除術, 縦隔リンパ節郭清を施行した. 病理組織では乳頭型腺癌と診断された. CEAおよびCA19-9免疫染色にて癌細胞は染色され, 本症例はCEAおよびCA19-9産生腫瘍と考えられた. 術後1カ月後, 60Gyの放射線療法, 温熱療法が行われ, さらに経口にてUFTの投与を行った. 術後4カ月後血清CEAおよびCA19-9は正常値となった.

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