肺癌
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延命効果からみた癌性胸膜炎の治療成績
西條 長宏西脇 裕川瀬 一郎小林 利次鈴木 明仁井谷 久暢夫舛 恵一
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1978 年 18 巻 1 号 p. 51-57

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抄録

原発性肺癌287例について組織型別に胸水の頻度, 胸水中腫瘍細胞陽性率を検討した. また胸水患者73例について, 胸水治療開始時からの生存期間と, 胸水量変動および, 胸水中腫瘍細胞消長の相関を治療内容の面から解析した. 胸膜と直接関連した進展を示す腺癌に胸水貯留頻度および胸水中腫瘍細胞陽性率の高いことが明らかにされた. 胸水患者73例の胸水治療開始時からの平均生存期間は8.0ヵ月であった. 一方, 治療により胸水の減少した36例の治療開始時からの平均生存期間は10.2ヶ月であった. 胸水型進行癌に対しても, 症例により全身化学療法および局所療法を適宜選択し積極的に治療を行なうことによって延命への道が開かれてゆく可能性が示唆された.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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