日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
Dubberley分類3B型上腕骨遠位端coronal shear fractureの治療経験
森田 晃造梅澤 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 30 巻 2 号 p. 85-87

詳細
抄録

 上腕骨遠位端coronal shear fractureの中で上腕骨小頭と滑車が分離し顆部後壁の粉砕を伴うDubberley分類type 3B 骨折症例の治療成績を検討した.対象は9例9肘で手術時平均年齢は62.1才であった.手術進入法は拡大Kaplan アプローチ4例,後方アプローチ5例であり全例とも埋没型インプラント及びロッキングプレートにて内固定した.全例骨癒合し,最終観察時平均の肘関節可動域は伸展-17.8°屈曲122.8°,JOA-JES scoreは87.3点であった.本骨折は内固定に難渋することの多い骨折であるが術前CTで前方骨折部の粉砕状況を評価し前方骨片の粉砕が軽度なら後方,高度なら拡大Kaplan アプローチと進入法を選択し,前方骨片を整復・内固定後にロッキングプレートによる強固な内固定を施行することにより,早期からの可動域訓練が可能となり良好な成績が獲得可能であった.

著者関連情報
© 2023 日本肘関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top