2022 年 29 巻 2 号 p. 24-26
当院における小児上腕骨外側顆骨折の手術治療成績を報告する.対象は29例(男児22例,女児7例),平均年齢は6.9歳.骨折型はWadsworth分類II型が20例,III型が9例で,術式は観血的鋼線刺入固定術(ピンニング)が5例,観血的鋼線締結法(TBW)が24例であった.最終観察時のX線学的評価,臨床所見を検討した.魚尾状変形を1例,骨癒合遷延を1例認めたが,最終的には全例で骨癒合が得られ,疼痛や変形の訴えはなかった.Flynnの評価基準によるfunctional factorは,優24例,良4例,可1例,cosmetic factorは優26例,良3例であり,術式に関わらず治療成績は良好であった.TBWは固定力が高く早期の可動域訓練ができ,治療成績の安定した選択しやすい治療法である.ピンニングは抜釘時の入院手術を回避できる利点があり,術中に十分な固定性を確認できれば治療選択に入ると考える.