2022 年 29 巻 2 号 p. 153-157
重度肘関節外傷に対してTEAを行った6例について調査した.男性4例,女性2例,平均年齢47歳で,開放骨折が4例,肘関節切断が2例であった.TEAとした理由は,受傷時の高度骨欠損が2例,経過中に生じた高度不安定性によるものが4例であった.また皮弁移植による軟部組織再建を併用したものは5例あり,うち2例はTEAと同時に軟部組織再建を行っていた.使用した皮弁は有茎広背筋4例,遊離広背筋1例,遊離ALT1例であった.TEA後感染により再置換を行ったものが1例あった.平均52.6ヶ月経過観察を行い,最終観察時肘可動域は伸展-15° ,屈曲133° で,MEPSは平均80.8点であった.重度肘関節外傷に対するTEAおいても,積極的に軟部組織再建を併用する事で満足のいく結果が得られるものと思われた.