2021 年 28 巻 2 号 p. 125-129
目的:上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)病変部安定および不安定症例の上肢筋力を比較し,病変部不安定症例の上肢筋力の特徴を検討することを目的とした.
材料および方法:対象はOCD症例9名とした.病変部はCT矢状断像から西中らの分類に基づき軟骨下骨の状態を評価し,Stage1およびStage2を病変部安定群,Stage3a・3bおよびStage4を病変部不安定群とした.上肢筋力はゼロポジション近似肢位での肩外旋(Zero外旋)および肘伸展(Zero伸展)筋力,僧帽筋中部・下部筋力,前鋸筋筋力を測定し,2群間で比較した.
結果:Zero伸展筋力は病変部不安定群で低値を示した.他の項目に差はなかった.
考察:Zero伸展筋力の低下はOCD病変部不安定症例の上肢筋力の特徴の一つである可能性が示唆された.