【目的】臨床実習において視覚障害を有する実習生があはき施術前後で用いるのに有 用な評価方法を明らかにし、臨床実習室に来所する肩こり患者の状況を把握する。 【方法】研究対象者は臨床実習の実習生46 人および肩こりを訴える臨床実習患者82 人。実習生は、患者に対して測定評価票を用いて測定した。臨床実習終了後、行っ た測定の困難度に関する質問票に回答した。患者の肩こりの状況はNeck Disability Index を用いて評価した。 【結果・考察】実習生は、指椎間距離の測定が最も難しいと感じていた。難しいと感じ た理由や内容は、測定時のテクニックに関連する点と視覚障害を要因とした点であっ た。臨床実習で毎回、測定評価し、計測の経験値を多く積むことにより、測定の困難 さは克服できることが示された。肩こり症状の程度は、中等度の者が約半数を占めた。 【結語】VAS を用いた肩こりの程度、NRS を用いた頚部動作時の症状の程度、指椎間 距離の評価は、臨床実習において視覚障害を有する実習生があはき施術の効果を評価 する際に有用である。また臨床実習室に来所する肩こり患者の状況を把握することが できた。