2019 年 7 巻 3 号 p. 107-110
耳鼻咽喉科外来診療においてネブライザー療法は副鼻腔炎や喉頭炎に対する局所治療として汎用されている.近年急性副鼻腔炎に対するネブライザー療法の指針が発刊されたが,喉頭ネブライザーに対する指針は存在しない.喉頭ネブライザーの適応や治療法は確立されていないが,正しい適応と治療方法が確立される必要がある.以上を踏まえ,私たちは喉頭ネブライザー療法の実態を把握する目的でアンケート調査を施行した.愛知県17施設,岐阜県9施設よりアンケートを回収することができたが,全26施設において喉頭ネブライザーが施行されていた.また,薬液については全ての26施設においてステロイド(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムもしくはデキサメタゾンリン酸エステルナトリウム)が用いられていた.抗菌薬は26施設の内14施設で使用されていた.本稿では本アンケート結果を中心に喉頭ネブライザー療法について概説する.