小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
自閉症スペクトラム児における生活習慣病予防健診の検討
冨田 理絵小谷野 薫小西 行彦西田 智子山本 真由美
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2020 年 60 巻 3 号 p. 239-245

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抄録

自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder : ASD)の患者は成人期に生活習慣病を高率に発症し,その背景に偏食,運動不足,睡眠障害などASD特有の問題との関連が近年報告されている.一方,小児期のASD児の生活習慣病のリスクについての報告は少ないため,本研究ではASD児の生活習慣病のリスクおよび生活習慣における問題点,小児期からの介入方法を検討した.対象は2012年4月~2017年3月の間に小豆島町で生活習慣病予防健診を受けた小学校4年生(ASD児38 名,正常発達(normal development : ND)児478名).メタボリックシンドロームはASD児4名(10.5%),ND児4名(0.8%),また肥満度20%以上はそれぞれ10名(26.3%),40 名(8.4%)であり,ASD児では小児期の時点で生活習慣病のリスクが高かった.ASD児では小児期より生活習慣についての支援が必要である.

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© 2020 一般社団法人日本小児精神神経学会
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