管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
論文
利益の質と発生項目アノマリー
海老原 崇
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 15 巻 1 号 p. 21-34

詳細
抄録

本研究は,利益の質と,Sloan(1996)で示された発生項目の持続性に関するミスプライシング,そしてミスプライシングに起因する発生項目アノマリーとの関係の検証を目的としている.同様の研究を行ったAhmed et al.(2004)が利益マネジメントの程度を利益の質の尺度としたのに対し,本研究はDechow and Dichev(2002)で提示された発生項目の予測誤差を利益の質の尺度とした.分析ではサンプルを利益の質が高いサブサンプルと利益の質が低いサブサンプルへ分割し,部分期間ごとにHerrmann et al.(2001)とSloan(1996)に従って効率性テストとヘッジ・ポートフォリオ・テストを行っている.分析の結果,本研究の仮説は概ね支持され,発生項目の持続性に関するミスプライシングや発生項目アノマリーに対して,利益の質としての発生項目の予測誤差が大きく関係していることが確認された.

著者関連情報
© 2006 日本管理会計学会
前の記事 次の記事
feedback
Top