日本ベンチャー学会誌
Online ISSN : 2433-8338
Print ISSN : 1883-4949
研究論文
技術開発型中小企業の日米比較
山田 幸三江島 由裕黒川 晋
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2008 年 11 巻 p. 11-20

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抄録

この研究では、日米の中小企業支援施策の認定を受けた技術開発型中小企業の戦略とガバナンスに関する比較分析を試みる。わが国の「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」とアメリカ・Pennsylvania州のベンフランクリン・テクノロジー・パートナーズ(Ben Franklin Technology Partners)プログラムの認定企業を対象に2002年から2004年に実施した郵送質問票調査データの探索的な分析の結果、次の点が明らかになった。家族経営と非家族経営の戦略は日米で違いはないが、トップのビジョナリー行動は日本企業の方が顕著である。創業者経営と後継者経営の比較ではアメリカでは後継者経営の家族の出資比率が非常に高く、日本では創業者経営と後継者経営の間で戦略とトップマネジメント特性に統計的有意差がある。高業績企業の比較では日米ともに探索型戦略をとるが、日本がより探索的で多様な技術蓄積とコスト優位性を強みとし、アメリカはニッチ戦略を徹底する。高業績企業のトップは日本ではビジョナリー行動をとるが、アメリカでは業界知識をもとに分析重視である。

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© 2008 日本ベンチャー学会
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