2012 年 23 巻 p. 39-51
従来,「漣痕化石」とされていた香美町香住海岸の下浜に認められる線構造および周辺の砕屑岩類および火山砕屑岩類を対象に,形状解析および堆積相解析を行った.堆積相解析の結果,周辺に分布する砕屑岩類および火山砕屑岩類を堆積組相GR(礫質河川堆積物),堆積組相SR(砂質河川堆積物),堆積組相LM(湖沼堆積物・氾濫原堆積物),堆積組相DEB(土石流堆積物),堆積組相R/PYR(河川堆積物/火砕流堆積物)の5つに分類した.線構造の形状解析の結果,線構造は漣痕化石ではなく,礫質河川のチャネル底に発達した溝状流痕であることが分かった.