昨今,研究成果や論文の捏造の問題が社会問題となったことは記憶に新しい.改竄が困難な方法によって研究記録が保存されているならば,指導者あるいは上司による監督や,研究記録あるいは研究実態の検証に関して大いに助けになるであろう.この際,研究記録の正真性と非改竄性の保証をいかに行なうかが課題となる.この問題に対し,我々は電子署名を用いた研究記録管理・公開・検証システムarχvesを構築した.しかし,研究記録の証拠能力を高めるためには,記録者の署名のみではなく,確認者(証人)による署名も必要である.そこで,我々はarχves上に,同様に電子署名を用いた確認者署名機能を実装した.本システムでは,記事などへの改竄の検証の強度を増すために,確認者の秘密鍵は検印サーバに置き,署名の際には確認者は検印サーバを部分的にプロキシ的に用いて文書サーバと通信し,処理を行なうよう実装した.