鉱物学雜誌
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水熱育成法
とくに人工水晶について
大友 惇
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1968 年 8 巻 6 号 p. 383-396

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抄録

 水溶液を含んだ高温高圧の系において,物質を反応させて新物質を作ることを一般に水熱育成(hydrothermal crystal growth)と呼んでいる。人工水晶育成の場合には,高温高圧の系において温度差を設け,高温側で原料(nutrient)を溶解し,低温側で溶質を種子(seed)上に析出させて結晶成長を行なう水熱温度差法(hydrothermal temperature difference method)が用いられている。 水熱育成法により現在育成されている結晶は水晶の他にAl2O3,ZnO,CdO,PbO,V2O3,V2O4,ZnS,CdS,AlPO,AlAsO4,NiFe2O4等,多数の報告がなされているが,工業化が確立されて量産されている結晶は水晶のみであろう。したがって,人工水晶の育成法及び性質の一端を述べて,水熱育成法の報告にかえたい。

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