千葉県立保健医療大学紀要
Online ISSN : 2433-5533
Print ISSN : 1884-9326
原著
軽度認知障害が疑われる地域在住高齢者の「日常役割機能-身体」
島田 美恵子岡村 太郎松尾 真輔三宅 理江子保坂 誠麻賀 多美代麻生 智子山中 紗都雄賀多 聡雨宮 有子中島 悠介中島 一郎
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2017 年 8 巻 1 号 p. 1_35-1_40

詳細
抄録

 本研究は,軽度認知障害(MCI)が疑われる高齢者の体力とQOL尺度(SF-36)を,健康な高齢者と比較し,MCIと強く関連する指標を検討することを目的とした.MMSE(Mini Mental State Examination)26点をカットオフ値として,地域在住高齢者126名をMCI疑いの有無で2群別した.健康な高齢者(101名 平均年齢73.8±5.6歳 MMSE29.3±1.0点)は,MMSE26点以下の高齢者(25名 平均年齢76.8±6.9歳 MMSE24.6±1.6点)と比較して,握力を除いて,体力は有意に高かった.SF-36の8下位尺度は社会生活機能,心の健康を除いて,健康な高齢者が有意に高かった.ロジスティック回帰分析の結果,「日常役割機能-身体」のみが,両群を判別する有意な項目として算出された.本研究では,「日常役割機能-身体」がMCIを予測する指標となりうることが示唆された.

著者関連情報
© 2017 千葉県立保健医療大学
前の記事 次の記事
feedback
Top